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お嬢さまことば速修講座
報道(文化庁調査)によれば、最近、やう゛ぁいくらいコトバが乱れているらしいので、私も乱れを正すべく、文化庁長官
河合隼雄氏も推薦している(ウソ)『
お嬢さまことば速修講座』を読む。監修は
加藤ゑみ子
氏。一時、話題になった本だ。
何ゆえに「お嬢さまことば」に学ぶのか。理由は簡単である。だって、お嬢さまは「やう゛ぁい」とか「びみょー」とか言わなさそうじゃない。逆にいえば、そのような乱れた言葉を使わないのがお嬢さまが、お嬢さまと呼ばれる所以である。
▼オジョウサマコレクト
で、さくっと一読。「なるほどねー」という感じである。男性から見ても純粋に愉しい本だ(お嬢さまことばを存じている男性というのは、びみょーというよりは、キモイ気もするが、あくまで教養の一貫である。そこら辺、勘違いしないでいただきたい)。
以前、ポリティカリーコレクト(Politically Correct=PC)と言う、狭義には「差別語」の言い換え表現が話題になった時期があったが(正確には「政治的に正しい」表現を意味する)、本書はいわば、オジョウサマコレクト(OC)表現集とも言えよう。
▼言い換え表現例
たとえば、「恐れ入ります」を「どうも」の代わりの口癖にする(p.14)。相づちは「そうですか」の代わりに、「そうですの」を利用する(p.36)。「肯定は、オーバーなくらい丁寧に丁寧に」(p.86)しかし、否定は曖昧に(p.88)するのがポイントらしい。
お嬢さま言葉の王道。「ごきげんよう」についても言及がある。曰く、気軽に元気よく、「さよなら」「こんにちは」の代わりに「ごきげんよう」(p.75)とのことである。私も一時、「ごきげんよう」を多用していた時期があるのだが(メールの末尾に「ごきげんよう」と記していたのだ)、評判が悪かったのですぐに辞めてしまった。
もちろん上記は一例。さらに具体的な実践例もある。
たとえば、「曖昧な否定」では、次のような例が紹介されている(p.89)。
| 違います |
さようでございますか。
さあ、むずかしいことで、わかりかねます。
不本意な結果になるかもしれません。 |
| わたしはそうは思いません |
さようでございましょうか。
ユニークなご意見ですこと。
そういうお考えもございますのね。 |
巻末には、「お嬢さまことば小辞典」なる付録も付いている。「耳障りなことばの言い換えリスト」には、以下のような例も紹介されている(p.128)。
| 頑張ります |
全力を尽くします
ベストを尽くさせていただきます |
| 頑張ってね |
しっかりね
ご成功(ご健闘)をお祈りいたしますわ |
| 面倒くさいので |
時間がとれませんので
手がかけられませんので |
| だめ |
よろしくない
なさらないほうがよろしいわ
苦手ですの
わたくしにはむずかしいわ |
ふーん、といった感じだが、確かに「使える」表現だわな。
人に「頑張ります」と言われると、ややもすると安っぽく聞こえるが、「全力を尽くします」と言われると、まだ許せたりするかもしれない。耳にする頻度の問題だとは思うが、ちょっとした工夫で印象が変わる気もする。
この手の言葉をしっておけば、言葉も返しやすい。「わたくしにはむずかしいわ」に対しては、「ご健闘をお祈りいたしますわ」と返答すれば良いわけだしな。
▼まとめ
以上、部分的に紹介をしてきたが、本書は、お嬢さまことばに限らず、日常生活で間違いなく活かせそうな内容と言えよう。もっとも、私のように斜に構えた人間にとっては、それは単なる「ネタ」にしか過ぎないのではあるが。何にせよ自身の「言葉」に意識的であるのは悪くない試みだとは思う今日この頃。
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