▼個人的な話かもしれないし、何度も言っていることではあるが、私にとって「支援とは何か」は限りなく永遠に近い問いである。なぜなら、常にジレンマが生じる問いだからである(他者への支援は時に当人にとっての制約であり、他者にとっての制約は時に支援としても働く)。いったい、どんなバランスを取れば良いのか。
そもそもをたどれば、誰が支援を求めているのかも、問われなければならない。メシア・コンプレックス的に「自分」が支援をしたいだけなのか。それとも真に他者が支援が求めているのか。考えれば考えるほど、難しい問いである。
▼これまた同じことの焼き直しで恐縮だが、かつて私が心理学を集中的に学んだのも、Schein(シャイン, E.H.)の書籍に「救われた」感を持ったのも、おそらくは「支援」ということについて考えたかったからかもしれない。久々にScheinの新刊を読み通して、改めてこの事を思い返す今日この頃。
▼金井先生の監訳だけあってか『
人を助けるとはどういうことか』は、解説も充実している。これだけでも読み応えがあるが、金井先生曰く、「本書をぜひお読みいただきたい読者層」(pp.254-255.)は以下の通りである。
- 誰かを支援すること自体が仕事の一部、もしくは仕事のほとんどの部分となっている職種で活躍している方々-コンサルタント、ソーシャル・ワーカー、医者、看護師、介護福祉士。
- 前述と関連し、部分的にオーバーラップするが、従来の組織開発、ワークショップ、ファシリテーターなど(略)、各界のインターベンショニスト(介入のプロ)。
- より若い世代、より未経験な人たちを指導、コーチする立場にある方々(略)
- 子どもや恋人、配偶者ともっと実りある関係を樹立したいと思う方々、より若い世代も含め友人や恋人との関係をよりよくしたいと思う方々(略)
- 支援を受けるたちばにいることが多いが、そのことで苛立つこと、大切に扱われていないと感じてしまう状況を改善したいと思う方々-医者にとっての患者、介護を受けている人、先生にとっての生徒・学生(略)
▼著者の言わんとすることは、要約ではとても語りきれないが、最終章にある「支援関係における7つの原則とコツ」は、本書と出会う契機となり得そうな気もするので、半分は自分のために、残りの半分は誰かのためにメモ。コツは自分がなるほど!と思った一部のみの引用である(pp.235-249.)。原則だけで何かが得られる訳では決してないので、ぜひ本書を手にとっていただきたい。
- 原則1 与える側も受け入れる側も用意ができているとき、効果的な支援が生じる。
- 原則2 支援関係が公平なものだと見なされたとき、効果的な支援が生まれる。
- 支援3 支援者が適切な支援の役割を果たしているとき、支援は効果的に行われる。
- 原則4 あなたの言動すべてが、人間関係の将来を決定づける介入である。
- コツ11 フィードバックを与えるときには、現実の姿の記述にとどめるようにし、判断は最小限に抑えること。
- 原則5 効果的な支援は純粋な問いかけとともに始まる。
- コツ15 求められた支援がどれほどお馴染みのものに聞こえても、これまで一度も聞いたことがない、まったく新しい要求だとして考えよう。
- 原則6 問題を抱えている当事者(オーナー)はクライアントである。
- コツ17 あなたが知っていると思う問題とどれほど似ているようでも、それは他人の問題であって、あなたのものではないことを絶えず思いだそう。
なかなかそんな論考は少ないのが実情だが、支援者の立場でも、クライアントとしても、どちらの立場でも有用な一冊だった。これから、ことある度に、何度となく読み返すことになるのだろうな。
より根源から学びたい場合は、こちらも参考になるはず。
今一度読み直してみたい。
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