前倒しの喪失感
▼クリスマス・イブである。So what?てな具合で、例によって、おはようからおやすみまで仕事。これだけクリスマスに仕事が入るのも珍しいが、せっかくの偶然なので、クリスマスらしいネタを一部顧客に提供しようと頭をひねる。
クリスマス(イブ)恒例のフランクル『夜と霧』を使おうと思ったが、まだ自分の中でもこなれていないし、かと言って『シンドラーのリスト』はクリスマスとはあまり内容的に重ならない…などと考えているうちに、時間切れ。結局(どういう理由で?)、Appleの創立者スティーブ・ジョブスのスピーチを使うことにした。幸いにもYouTubeに日本語翻訳があったのもありがたい。
ジョブスが指摘していることは、おそらく、V.E.フランクルが『意味への意志』で述べている次の一文と重なるはず…と思ったのだが、こじつけかしら。
最近読んだ、内田樹先生の言葉を借りれば、「前倒しの喪失感」という言葉も、なかなな言い得て妙だなと思ったが、結局、この内容は扱わなかった。時間がなかったから…というのは、言い訳かしらん。
クリスマス(イブ)恒例のフランクル『夜と霧』を使おうと思ったが、まだ自分の中でもこなれていないし、かと言って『シンドラーのリスト』はクリスマスとはあまり内容的に重ならない…などと考えているうちに、時間切れ。結局(どういう理由で?)、Appleの創立者スティーブ・ジョブスのスピーチを使うことにした。幸いにもYouTubeに日本語翻訳があったのもありがたい。
ジョブスが指摘していることは、おそらく、V.E.フランクルが『意味への意志』で述べている次の一文と重なるはず…と思ったのだが、こじつけかしら。
人間が幸福感を直接に目指せば目指すほど、彼は幸福でありうる根拠を見失い、幸福感そのものは崩壊するのです。言い換えれば、幸福は結果としてついて来るものでなければならず、目指して得ることのできないものだということです。ジョブス風に言えば、過去を見て「点と点をつなぐ」ということ。あるいは「死」を意識するということ。このあたりの感覚を説明したくても、ななかな私の言葉では説明しきれないのが、毎度、悔しいところである。かつて頻繁に引用していたが、松岡正剛氏の言葉を借りれば「フラジャイル」。金子郁容先生(最近も、ちょくちょくマスメディアに出ている?)に言わせれば「ヴァルネラビリティ」。
最近読んだ、内田樹先生の言葉を借りれば、「前倒しの喪失感」という言葉も、なかなな言い得て妙だなと思ったが、結局、この内容は扱わなかった。時間がなかったから…というのは、言い訳かしらん。
- 内田 樹(2008). 街場の教育論. ミシマ社
私たちは美しいカットグラスをていねいに扱う。仮にそれと形状も持ち重りも肌触りまでまったく同じ「割れないグラス」があったとして、私たちはその「割れないグラス」に対して、「割れるグラス」と同じような愛着を持つことができるでしょうか。たぶん、持つことができないと思います。でも、これも変な話ですね。「決して割れないグラス」と「まだ割れていないグラス」は、今ここではどちらも「割れていないグラス」という点では同格のはずです。にもかかわらず、私たちは「まだ割れていないグラス、割れる可能性のあるグラス」の方に心惹かれるものを感じる。それは、そのグラスが手から滑り落ちて、砕け散ったときの喪失感を「前倒し」で受け取っているからです。不思議なものですけれど、この「前倒しの喪失感」がそのグラスを使っているときの快楽を増している。(p.253)割れないグラス(永遠、完全)を目指す気持ちも確かに大切かもしれないが、喪失感を喪失しないようにしたいものである。
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