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読書メモ(断片):イノベーションの達人!

▼『イノベーションの達人!』を読み進める。以前も少しだけ紹介させてもらったが、本書は、『発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法 』の続編にあたる本。企業におけるイノベーション(技術革新)に必要な要素を、10のキャラクター(役割)に整理している。役割という観点が面白い。  役割は「情報収集をするキャラクター」「土台をつくるキャラクター」「イノベーションを実現するキャラクター」の3つに分けられており、中でも重要なのは著者曰く「人類学者」だと言う。「観察」=人類学者とは、良くも悪くもステレオタイプ的ではあるが、イノベーションの原点として「観察」を置くのは、理にかなっている。

 具体的な役割(キャラクター)は以下の通り。
情報収集をするキャラクター
1 人類学者:観察する人
2 実験者:プロトタイプを作成し改善点を見つける人。
3 花粉の運び手:異なる分野の要素を導入する人

土台をつくるキャラクター
4 ハードル選手:障害物を乗り越える人
5 コラボレーター:横断的な解決法を生み出す人
6 監督:人材を集め、調整する人

イノベーションを実現するキャラクター
7 経験デザイナー:説得力のある顧客体験を提供する人
8 舞台装置家:最高の環境を整える人
9 介護人:理想的なサービスを提供する人
10 語り部:ブランドを培う人
▼本書は具体例も豊富だし、本書を読んでいる(手に取っている)だけで、イノベーションというか、インスピレーションがわき出てきそうなのが良い。

 とくに「人類学者」の章で、これはうまいなと思ったのは「デジャブ(デジャヴュ)」の反対語となる「ヴァジュデ」という概念。これは、恋愛論にも使えそうな概念かもしれない。例えば、恋愛において既視感は必要不可欠だが(運命の人というのは、「どこかで出会ったことがある」という既視感なくしてあり得ない)、同時に、すべてを初々しく捉える力がなければ、すべては日常に埋没するか、マンネリ化しがちである、とか。
人類学者は「ヴァジュデ」を通じてひらめきを求める。
 デジャヴュの感覚は誰でも知っているだろう。実際に経験していないものを以前に見たことがあるように思う、強い既視感のことだ。「ヴァジュデ」はその反対だ。つまり、前に実際に見たことが何度もあるものを、いま初めて見ているような感覚をいう。私が初めてこの言葉を耳にしたのは、スタンフォード大学教授である友人のボブ・サットンからだったが、そもそもはコメディアンのジョージ・カーリンが言い出した言葉らしい。このヴァジュデの原則を取り入れることによって、人類学者はずっと前からあったのに見過ごされたきたものを「見る」ことができる。普通の人はすぐに見るのをやめてしまうので、ついついそれを見損なってしまい、そこに重要な意味があることにも気づかないのだ。(p.26)
 本書のような主張は、どこかで読んだことがある、という既視感を感じつつ、これって新しいかも!と思わせることができれば、何事もうまくいくといったことか。

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