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読書メモ(断片):電子メディアを飼いならす

▼空き時間に、『電子メディアを飼いならす』を読む。

 タイトル買いした本で、実は予想とは違う内容で、一瞬、「失敗したかな」と思ったのだが、読んでみたら意外と(失礼)面白く、学ぶことが多かった。「電子メディア」と言っても、インターネット的な電子メディアではなく、ほとんどがテレビのマスメディアの話。インターネット的もなくはないが、極めて限られている。

 しかし、人類学的研究として、「ウルルン」(世界ウルルン滞在記)や「あいのり」などのテレビ番組の考察は大変興味深かった。テレビ番組の分析と言えば、この1年内に読んだ本の中では、『メディアリテラシーの道具箱』『自己認識としてのメディア・リテラシー』が印象に残っているが、これらで取り上げられている以上に身近な番組だし。 ▼孫引き的引用で恐縮だが、「時間の無さ」の問題について考えさせられてみたり。
 かつてパウダーメイカーはハリウッド社会の政治性を批判的に論じる一方で、他方ではハリウッド社会では誰もが極度の不安-仕事や利益、あるいは名声を失う不安-にとりつかれていると論じ(Powdermaker 1950)。現代のテレビ界は、これらの不安に加えて、「時間の無さ」に由来する不安に覆われているのではないか(ブルデュー 2000:45-49)。ブルデューが論じるように、このような「時間の無さ」のなかでは人は真の意味で「考える」という営みができなくなり、紋切り型の思考へと陥っていくだろう。テレビ界へと足を踏み入れた当初、疑問や違和感を抱くことがあったとしても、多くの場合、その疑問や違和感は、時間に追われるなかでしだいに麻痺していき、紋切り型の思考へと取って代わられてしまうのではないか。「家族愛」や「受け継がれる伝統」をモチーフとする紋切り型のわかりやすい異文化表象が繰り返し生み出される主要な背景の一つとして、こうした「時間の無さ」を挙げることができると考える。(p.270)
 テクノロジーと時間(あるいは速度)については、ヴィリリオ『速度と政治』から得るものが多かったのだが、今後もさらなる課題としたい所だ。
 このあたり、この10年以内で私なりに整理したい問題の一つである。

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