読書メモ(断片):社会関係資本
▼「社会関係資本」(ソーシャルキャピタル)について調べようと思って、金子郁容氏の本やら、宮田加久子氏の本などを読み返してみる。
社会関係資本は、分かるようで、捉えにくい概念である。宮田氏によれば、社会関係資本とは「信頼や互酬性の規範が成り立っている網の目状の社会ネットワークとそこに埋め込まれた社会的資源」(p.22)と定義される。
また、宮田氏が先行研究のレビューとして触れているブルデューの定義では(以下、ほとんど孫引きとなっているのでお許しあれ)、「相互に面識があり認知しあう制度化された関係からなる持続的なネットワークを保有することと結びついた現実的もしくは潜在的な資源の総体」(Bourdieu 1986)(p.11)を意味するらしい。
うーん、わからん。
たとえば、以下の説明の方が理解しやすいかもしれない。
▼あるいは、コールマンによれば、「個人の協調行動を起こさせる社会構造や制度」(Coleman 1988)(p.1)ということになる。コールマンによれば、社会関係資本には三つの形態があるという。これまた宮田氏の本からの孫引きだが、第一は社会構造の信頼性と期待と義務。第二は、情報ポテンシャル(情報が手に入れやすくなる)。第三は、規範とそれを逸脱したときの効果的な罰(pp.12-13)ということになるらしい。
うーむ。分かるようで分かりにくい。
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さらに、宮田氏が紹介しているパットナムの定義(パットナムについては金子郁容氏の本でも取り上げられていた)によれば「信頼感や規範意識、ネットワークなど社会組織のうち集団行為を可能にし、社会全体の効率を高めるもの」であり、「信頼(trust)」「互酬性の規範(norms of reciprocity)」「市民的な参加のネットワーク(network
of civic engagement)」という形態から構成されるとのことだ(p.14)。
▼フランシス・フクヤマの定義によれば、社会関係資本は「ある集団の中で共有され、人びとの協力の基盤となる一連のインフォーマルな価値観や規範」(p.18)であり、「すべての社会には、必ずなにがしかの社会関係資本がある」と言う。しかし、社会によって「信頼の規範」は異なり、「信頼の範囲が社会の構成メンバーの範囲より小さいとき、社会関係資本が『負の外部性』を生み出す」と主張しているとのことだ。
さらに、ナン・リンの定義によれば(ナン・リンの名前は初めて聞いた)、「目的を持った行動のなかでアクセスされる、そして/あるいは活用される社会構造のなかに埋め込まれた資源(embedded resource)」とのことだ。
さらに社会関係資本には、(1)社会構造に埋め込まれた資源(構造的側面)、(2)個人による資源へのアクセス可能な社会ネットワークを持つこと(機会的側面)、(3)目的を持った行動における個人による資源の利用・活用(行動指向的側面)の三つの要素が含まれ、「個人は効果を期待して、交流を深めネットワークをつくるという社会関係への投資を行う(p.19)とのこと。
▼うーん。ここまで読んで、厳密に考えれば考えるほど、捉えにくくなって来てしまうのはなぜだろう。要するに、人と人とのつながりを保っていくのに必要な信頼性や互酬性などの資源を意味していると同時に、人と人とのつながりによって生まれる資源のことを同時に(循環的)意味しているから分かりにくいのかな、と思ってみたりする。
一対一の関係(コミュニケーション)ではなく、何らかの社会やコミュニティを想定していたり、それによって生じる利益のようなものを想定しているということが、私の理解を分かりにくくしているのかもしれない。「なんとなく」は分かるのだが…。
以下も読み直しつつ、今しばらくきちんと押さえていく必要があるわな。
- 宮田 加久子(2005). きずなをつなぐメディア―ネット時代の社会関係資本.NTT出版
- 金子 郁容 (2002). 新版 コミュニティ・ソリューション―ボランタリーな問題解決に向けて. 岩波書店
社会関係資本は、分かるようで、捉えにくい概念である。宮田氏によれば、社会関係資本とは「信頼や互酬性の規範が成り立っている網の目状の社会ネットワークとそこに埋め込まれた社会的資源」(p.22)と定義される。また、宮田氏が先行研究のレビューとして触れているブルデューの定義では(以下、ほとんど孫引きとなっているのでお許しあれ)、「相互に面識があり認知しあう制度化された関係からなる持続的なネットワークを保有することと結びついた現実的もしくは潜在的な資源の総体」(Bourdieu 1986)(p.11)を意味するらしい。
うーん、わからん。
たとえば、以下の説明の方が理解しやすいかもしれない。
社会関係資本を維持もしくは増大させるためには、物質的交換と象徴的交換の双方を通じた相互作用過程を繰り返して社会ネットワークを維持したり拡大したりする必要がある。それには、特定のコミュニケーション能力や教養などの相応の文化資本や、相互作用をするための経費や会費などの形で徴収される相応の経済資本が求められる。一方、個人が持っている社会関係資本によって教育機会や雇用機会が規定されるので、社会関係資本が豊かであれば文化資本や経済資本も高まる。したがって、経済資本の高い社会階層ではますます社会関係資本が増大し、社会関係資本が高ければ経済資本も高まるという循環が観られ、結局、社会階層は分化され固定化されると主張している。(pp.11-12.)ブルデューのいわんとしていることは分かるのだが、一言で説明しにくいのが難点。
▼あるいは、コールマンによれば、「個人の協調行動を起こさせる社会構造や制度」(Coleman 1988)(p.1)ということになる。コールマンによれば、社会関係資本には三つの形態があるという。これまた宮田氏の本からの孫引きだが、第一は社会構造の信頼性と期待と義務。第二は、情報ポテンシャル(情報が手に入れやすくなる)。第三は、規範とそれを逸脱したときの効果的な罰(pp.12-13)ということになるらしい。
うーむ。分かるようで分かりにくい。
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さらに、宮田氏が紹介しているパットナムの定義(パットナムについては金子郁容氏の本でも取り上げられていた)によれば「信頼感や規範意識、ネットワークなど社会組織のうち集団行為を可能にし、社会全体の効率を高めるもの」であり、「信頼(trust)」「互酬性の規範(norms of reciprocity)」「市民的な参加のネットワーク(network
of civic engagement)」という形態から構成されるとのことだ(p.14)。- ロバート・D. パットナム 河田 潤一 (翻訳)(2001). 哲学する民主主義―伝統と改革の市民的構造. NTT出版
社会の成員間に信頼が醸成されていれば、「他者の利益のために何らかの行動をすると自分に返ってくる」と期待することが可能であるために、他者のために行動ができる。成員間でこうした互酬性が一種の社会的規範にまでに高められると、その規範に基づく社会ネットワークが形成される。このネットワークが社会に埋め込まれることによって、今度はネットワークが社会の成員を常に相互に協力するように差し向けるというプロセスが想定される。つまり、社会関係資本を活用することで社会関係のなかで人々の相互的な利益を獲得させるための協調と調整が促進される。(pp.14-15)ブルデューの論とは異なるが、循環的作用が働くという点は共通している。
▼フランシス・フクヤマの定義によれば、社会関係資本は「ある集団の中で共有され、人びとの協力の基盤となる一連のインフォーマルな価値観や規範」(p.18)であり、「すべての社会には、必ずなにがしかの社会関係資本がある」と言う。しかし、社会によって「信頼の規範」は異なり、「信頼の範囲が社会の構成メンバーの範囲より小さいとき、社会関係資本が『負の外部性』を生み出す」と主張しているとのことだ。
さらに、ナン・リンの定義によれば(ナン・リンの名前は初めて聞いた)、「目的を持った行動のなかでアクセスされる、そして/あるいは活用される社会構造のなかに埋め込まれた資源(embedded resource)」とのことだ。
さらに社会関係資本には、(1)社会構造に埋め込まれた資源(構造的側面)、(2)個人による資源へのアクセス可能な社会ネットワークを持つこと(機会的側面)、(3)目的を持った行動における個人による資源の利用・活用(行動指向的側面)の三つの要素が含まれ、「個人は効果を期待して、交流を深めネットワークをつくるという社会関係への投資を行う(p.19)とのこと。
▼うーん。ここまで読んで、厳密に考えれば考えるほど、捉えにくくなって来てしまうのはなぜだろう。要するに、人と人とのつながりを保っていくのに必要な信頼性や互酬性などの資源を意味していると同時に、人と人とのつながりによって生まれる資源のことを同時に(循環的)意味しているから分かりにくいのかな、と思ってみたりする。
一対一の関係(コミュニケーション)ではなく、何らかの社会やコミュニティを想定していたり、それによって生じる利益のようなものを想定しているということが、私の理解を分かりにくくしているのかもしれない。「なんとなく」は分かるのだが…。以下も読み直しつつ、今しばらくきちんと押さえていく必要があるわな。
- 金井 壽宏 (1994). 企業者ネットワーキングの世界―MITとボストン近辺の企業者コミュニティの探求. 白桃書房
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