▼RJP(Realistic Job Preview;現実的な仕事情報を事前に提供すること)について、優れた解説記事を見つけたので、取り急ぎメモをしておく。
そういえば、私も昨年の7月に関連記事を書いていたことがあるらしい。
以下、2004年7月の記事より再掲。
▼企業も大学も、得てして似たようなところはあるが、「入ってみないと分からない」ことが少なくない世界である。入社後、入学後に「
こんなはずじゃなかった!」と、ココロの中心で叫んでいる人は少なくあるまい。
おおよそ公式パンフレット(Webページも含む)は、自社アピールのために、これでもか!というほどのイメージ戦略(バラ色化)を試みようとする
(注)ものである。もちろんOGやOB訪問、あるいはキャンパス説明会などで、現役社員や学生から直接、情報を得られることも少なくないが、限界もある。
ここが就職(入学)の難しいところだが、会社(大学)側にとって「合う」ことが必要条件、その上で、自分自身にとって「合う」か否かを検討しなければならないのが難点だろう(もしくは「合わせられる」「変えていける」かも)。
▼

人材マネジメントの世界では、人材を求めるにあたっての必要な情報開示を、Realistic
Job Preview(RJP)あるいはRealistic Organization Preview(ROP)と呼ぶらしい。この分野の入門書である守島先生の『
人材マネジメント入門』によれば
RJPやROPの基本的な考え方は、仕事(JOB)や組織(Organzation)について、「いいことも、悪いことも、丸ごと伝える」ということになります。言い換えれば、情報を白黒あわせてすべて伝える、ということです。(p.47)
と説明されている。「
いいことも、悪いことも」や「
白黒あわせて」、という点が重要だろう。これは確かに、見逃されがちな視点である。
RJPの主な効果として、以下の3点が挙げられている。
(1) 入社後の役割や仕事内容が、明確化され、過剰期待を軽減し、入社後の幻滅を取り除く(ワクチン効果)
(2) より主体的な意思決定を促し、入った組織のコミットメントを高める(コミットメント効果)
(3) 応募にあたって自己選択を行い、自分にフィットした仕事だけに応募する(スクリーニング効果)
確かに、過剰な幻想を抱かせなければ、「こんなはずじゃなかった!」感も生じないし、幻想を抱く人は他に流れる。しかし、「悪いこと」を、単にネガティブな情報としてではなく、適切に人に伝えるのは容易ではなさそうだ。
「やってみないとみないと分からない」「入ってみないと分からない」「大人になれば分かる」という用法を、いかに越えるか。結局は、共有経験の組み合わせと、直観に頼るしかないのかな、とは思うが重要な課題かも。
▼金井先生の『
働くひとのためのキャリア・デザイン』のpp.168-198.にもRJPについて書かれていて、野村総研の例などは参考になる。↓のような一文を読むと金井先生の授業って、一度受けてみたくなるな。
神戸大学の社会人大学院の講義で経営管理論や組織論を担当するとき、わたしは、初期のセッションで、自社の会社案内のクリティーク(批判)をおこないつ
つ、自己紹介と自社紹介をやってもらうことがある。そのときのチェックポイントは、(1)間違ったこと、嘘は書かれていないか、(2)大事なことで述べら
れていないことはないか、(3)もっとリアルに会社の姿を学生に示すには、どのようにパンフレットを作りなおしたいと思うか、の三点である(思わぬ発見が
あるから、読者もぜひ、ひとりだけではなく職場の仲間を巻き込んで、チェックしてみてほしい。(p.172)
Webページなんかも、こういう視点で見直してみるといいのかも。
(注)金井壽宏先
生曰く「偽ったことを語るという文字通りの嘘を「黒い嘘」というのに対して、大切なことを故意に語らないことを「白い嘘」(M・スコット・ペックの造語だ
と思われる)」というらしい。パンフレットのようなものには本当の嘘は書かれていなくても、「白い嘘」はあるかもしれない。
白い嘘をつかないように気をつけなくっちゃね。
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