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読書メモ(断片):紅一点論

▼いわゆる広義の「メディアリテラシー」ネタとして、子ども向けのアニメやいわゆる特撮モノを取り上げようと思い、久々に斎藤美奈子の『紅一点論』を読み直す。

  • 斎藤 美奈子 (2001)(文庫).
    紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 . 筑摩書房
 斎藤美奈子氏の本はどれも愉快、軽快、爽快だが、とりわけ私的には『紅一点論』は学ぶことが多かった気がする。ジェンダー論的視点から見ても、「子ども」(男の子・女の子)に焦点を当てた研究は、管見、『紅一点論』まで見たことがなかったし。

▼氏に言わせると「男の子」向け番組(「男の子の国」)と、女の子向け番組(「女の子の国」)には、次のような特徴=差異があるらしい。
(以下、見出しを抜粋し、本文中を参照しながら簡単な説明を加えてみた)
男の子の国
  • 男の子の国は未来と宇宙の戦争の世界である。(p.18)
    (例:地球防衛軍。国際秘密防衛機構)
  • 男の子の国の戦いは異質なものを排除する戦争である。(p.19)
    (例:怪獣・怪人・怪ロボット…などが敵となる)
  • 男の子の国のチームは親方日の丸の軍隊である。(p.20)
    (例:基本的には「日本人」のみで構成される、ピラミッド型組織)
  • 男の子の国の基盤は科学技術である。(p.22-23)
    (例:鉄腕アトムしかり、ロボットモノはすべてそうである)
  • 男の子の国の変身は武装である。(p.23-24)
    (例:変身後、武装、プロテクターの装着などが行われる)
  • 男の子の国はセクハラ天国である。(p.23)
    (例:ドラえもんにおける、しずか(しずちゃん)の入浴シーン)
女の子の国
  • 女の子の国は夢と星と愛の世界である。(p.26)
    (例:魔法の国、お月様、お星様など。「空間と時間の観念がめちゃくちゃ」)
  • 女の子の国の戦いは世界に一つの宝物を守ることである。(p.27)
    (例:セーラームーン「幻の銀水晶」、ナースエンジェル「命の花」)
  • 女の子の国のチームは子どもの仲良しサークルである。(p.28)
    (例:チームの概念が未発達。作戦本部も命令系統もない)
  • 女の子の国の基盤は非科学的な魔法である(p.29)
    (例:「鏡の精」「月の女神」など「授けられたもの」である)
  • 女の子の国の変身はファッションショーである。(p.30)
    (例:女の子の国でいう変身=シンデレラの変身と同じ着替え)
  • 女の子の国は王子様に依存する恋愛立国である。(p.32)
    (例:女の子の国は私生活だらけ。「恋愛ボケの色ボケ」(p.33)
 とくに興味深いのは、「変身」の違いである。本書を読むまで、まったく盲点だったのだが(ほとんど考えたことのない領域でもあったが、未知なことが実に多かった!)、確かに、男の子向け番組における「変身」と、女の子向け番組における「変身」はまったく意味合いが違うような気がする。いまだにこの構造は変わっていないらしい。

 子ども向け番組に、どれだけの影響力があり、子ども自身がどのように受容しているか分からないし、「科学技術」か「魔法」か、そこに立ち返っていくことに何の意味があるのか分からないが、もしかしたら何らかの意味があるような気がする。

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