読書メモ:「異和感」の対自化
▼私は、時々、研究的に人にインタビューをさせていただくことがあって、日頃から「質問のレパートリー」を増やすように心がけているのだが、臨機応変(=半構造的)に、適切な質問を投げるのは容易ではない。
自分としても、何とか「質問力」的な力を向上させるべく、インタビュー的な手法を用いて描かれた著作を読んだり、方法論的な本を読んだり、プロの方のインタビューの記録を拝見させていただいたり、テレビでよく放映されているお茶の間インタビューを分析したりと、それなりに試みているのだが、自分で実感できるレベルまで力量を上げるのは大変である。
▼という前置きはさておき、たまたま読んでいた本の中に、「異和感の対自化」という手法が紹介されていて、参考になりそうなのでメモしてみる。
著者曰く、異和感には「怒り、苛立ち、悔しさ、恨み、裏切り、不信、疑い、無力感、虚しさ、徒労感、焦り…」(以下、合計24件の形容詞が続く)や、「息苦しい、胸苦しい、むかつく、腹が立つ、体が熱くなる…(略)」などの、ありとあらゆる「否定的な感情」が含まれるらしい(p36)。
これだけ否定的な形容詞や動詞が並ぶと、それだけで一瞬、引いてしまいそうになるが、あくまで異和感は対自のための「糸口」のようだ。
曰く、「異和感を糸口として、他者についての理解や、相手と自分を取り巻く現実についての理解を深め」、その結果として「異和感の解消と対人状況の改善を図れる」(p36-37)とのこと。
要するに、自己理解と他者理解のための手法ってことになるのかしら。
▼「異和感の対自化」は、具体的には8段階の質問として捉えられる。括弧内は、それぞれの段階の名称である。
なかなか総括的な質問になっている気がする。段階的に考えることで、質問のレパートリーを増やすためのトレーニングにもなりそうだ。
個人的には、他者が抱いている「異和感」に近づく契機として、この質問群は応用可能かな、と思ったりもする。
(結局は同じことを言っていると思うが、私自身は、他者が「異和感」を意識し、それに言葉を与える過程に関心があるのだと思われる)。
というわけで、今後、意識的にポジティブな意味での「異和感」ないし「違和感」に少し着目してみようっと(個人的には「齟齬感」の方が、しっくりくるかな。かみ合わせが悪い感じが、私にとっての違和感なのかも)。
▼取り急ぎメモにて。たぶん後日更新します。
うまくまとまっていなかったらごめんなさい。
自分としても、何とか「質問力」的な力を向上させるべく、インタビュー的な手法を用いて描かれた著作を読んだり、方法論的な本を読んだり、プロの方のインタビューの記録を拝見させていただいたり、テレビでよく放映されているお茶の間インタビューを分析したりと、それなりに試みているのだが、自分で実感できるレベルまで力量を上げるのは大変である。
▼という前置きはさておき、たまたま読んでいた本の中に、「異和感の対自化」という手法が紹介されていて、参考になりそうなのでメモしてみる。
- 野口 裕二・大村 英昭(2001). 臨床社会学の実践. 有斐閣
宮本信巳(2001) 「臨床社会学の体験と方法 -精神看護の実践・研究・教育を通して-」(p25-52)
(注)以前、『現場心理学の発想』という本の中で「違和感分析」という手法を読んだことがあったが、それとは違うようだ。改めて『現場心理学の発想』を確認後、up dateするかも。一般的には「異和感」は違和感の誤用である。しかし、本書によれば「身体感覚を適切に視野に収めるための用語として」(p35)、「違和感」ではなく「異和感」という言葉を敢えて用いているそうだ。
著者曰く、異和感には「怒り、苛立ち、悔しさ、恨み、裏切り、不信、疑い、無力感、虚しさ、徒労感、焦り…」(以下、合計24件の形容詞が続く)や、「息苦しい、胸苦しい、むかつく、腹が立つ、体が熱くなる…(略)」などの、ありとあらゆる「否定的な感情」が含まれるらしい(p36)。
これだけ否定的な形容詞や動詞が並ぶと、それだけで一瞬、引いてしまいそうになるが、あくまで異和感は対自のための「糸口」のようだ。
曰く、「異和感を糸口として、他者についての理解や、相手と自分を取り巻く現実についての理解を深め」、その結果として「異和感の解消と対人状況の改善を図れる」(p36-37)とのこと。
要するに、自己理解と他者理解のための手法ってことになるのかしら。
▼「異和感の対自化」は、具体的には8段階の質問として捉えられる。括弧内は、それぞれの段階の名称である。
- (1) 誰のどういう言動から異和感が生じたか?
(異和感と他者の言動との照合)
- (2) 異和感の中には、どのような感情や感覚が混じっているか?
(知覚した異和感の内容確認)
- (3) 相手の言動のどこが気に入らなかったか?
(相手の言動への批判の徹底)
- (4) 相手の側に正当性ややむをえない事情はなかったか?
(相手の正当性や限界の発見)
- (5) 自分の側に囚われや相手に対する先入観はなかったか?
(自分の側の囚われと先入観の発見)
- (6) 異和感が生じるのもやむをえない事情はなかったか?
(自分の正当性や限界の発見)
- (7) 自分と相手はどこが共通し、どこが違っていたか?
(自分と相手との差異と共通性の明確化)
- (8) 異和感はどのように変化し、どのような関心が生じたか?
(異和感の解消と新たな関心の発見)(以上p37を編集)
なかなか総括的な質問になっている気がする。段階的に考えることで、質問のレパートリーを増やすためのトレーニングにもなりそうだ。
個人的には、他者が抱いている「異和感」に近づく契機として、この質問群は応用可能かな、と思ったりもする。
(結局は同じことを言っていると思うが、私自身は、他者が「異和感」を意識し、それに言葉を与える過程に関心があるのだと思われる)。
というわけで、今後、意識的にポジティブな意味での「異和感」ないし「違和感」に少し着目してみようっと(個人的には「齟齬感」の方が、しっくりくるかな。かみ合わせが悪い感じが、私にとっての違和感なのかも)。
▼取り急ぎメモにて。たぶん後日更新します。
うまくまとまっていなかったらごめんなさい。
« 読書メモ:「弱さ」のちから | トップページ | 読書メモ:本人の日々 »
「読書メモ(断片)」カテゴリの記事
- アイデアノート(実験)(2010.06.11)
- チームワークをいかに築くか?(『チームマネジメント』『チームワークの心理学』)(2009.12.01)
- 読書メモ(断片):石井淳蔵『ビジネス・インサイト』(2009.12.13)
- 読書メモ(ミニ):『Head First Statistics 頭とからだで覚える統計の基本』(2009.09.25)
- 読書メモ(ミニ):支援とは何か?(『人を助けるとはどういうことか』『プロセス・コンサルテーション』(2009.08.19)
「読書メモ(過去分)」カテゴリの記事
- 読書メモ(断片の続き):『ニッポンには対話がない―学びとコミュニケーションの再生』(北川達夫、平田オリザ)(2008.06.14)
- 読書メモ:神話と日本人の心(2003.12.02)
- 読書メモ:「学び」を問いつづけて(2003.12.06)
- 読書メモ:儀式は何の役に立つか(2003.12.07)
- 読書メモ:悪の読書術(2003.12.08)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/503693/17387414
この記事へのトラックバック一覧です: 読書メモ:「異和感」の対自化:

コメント