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読書メモ:これから論文を書く若者のために

▼オリジナルは2003年8月に書かれたものです。

▼夜、珍しく仙台の街へ。いつから仙台は牛タンの街になってしまったのだろう。私が高校生の頃は、手頃の価格で、腹いっぱい食べれる、一風変わった焼肉屋さんという印象しかなかった記憶があるのだが…。

 牛タンといえば…、書棚をぱっとブラウズして私が真っ先に目に入ったのはは『これから論文を書く若者のために』であった。
 本書は、いわゆる学術論文の書き方の概説書なのだが、データの解析や解釈の演習の一例としてベガルタ仙台(サッカーチーム)と牛タン定食がネタにされている不思議な(ユニーク)な本である。

 一見、軽く見えるが、論文の書き方としては、私にとっては「かゆいところ」に手が届く本だった。たとえば、「タイトルの付け方」などについて、本書のようにきちんと例示してくれた本は、これまでなかったような気がする。

▼本書によれば、論文の中身は
取り組んだ問題、着眼点、研究対象、
研究手法、研究結果(結論を含む)
 から成り立っている。たとえば「ベガルタ仙台が強い理由の一つは、選手が牛タン定食を食べていること」を報告した論文をまとめるならば、
問題:ベガルタ仙台は強い
着眼:牛タン定食を食べると身体能力が高まる
対象:ベガルタ仙台の選手
手法:牛タン定食を食べる回数を実験的に操作して、試合の成功に及ぼす影響を見る
結果:牛タン定食を食べると、身体能力が高まり試合に勝つ
 といった要素が必要となる。これらが決まったら次は論文タイトルである。著者によれば、論文のタイトルでは「問題」「着眼」「対象」の3つが原則なのだそうだ(結果を入れるのは避けるべきらしい)。

 ベガルタ仙台と牛タンに関する論文の場合、適切なタイトルは
(○)なぜ、ベガルタ仙台は強いのか:勝利を呼ぶ牛タン定食仮説の検証
 となる。以下のようなタイトルは具体性や説明力(中身)に欠けるという。
(×)ベガルタ仙台に関する栄養学的研究
(×)なぜ、ベガルタ仙台は強いのか:その要因の解析
(×)ベガルタ仙台の強さと牛タン定食
 なるほど、である。個人的には×なタイトルに身に覚えがあって、痛い。

▼以上、牛タンの歴史について調べようと思ったら、気が付いたら論文の書き方の話になってしまった。

 なお著者によれば、牛タン定食は、「牛の体の先端(舌)と末端(しっぽ)」を使っているので、「両端定食」と呼ばれているらしい。おやじ風ギャグにちょっと受けてしまった私。本書には、今後もいろいろお世話になりそうである。

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