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読書メモ:MBA式勉強法

▼オリジナルは2002年5月に書かれたものです。

▼MBA的な関心よりも、「勉強法」のタイトルに惹かれて読んだ本。
  • モーゲン・ウィッツェル・ 内田 学 (訳,2001)
    MBA式勉強法
    ,東洋経済新報社
 この本はいくつかの点で優れている。
  • 言葉の定義や各章のミッション(目標)設定
    はじめに、「学ぶとはどういうことか」「知識とは何か」といった学びの根本的なところから説明がはじまっていて、かつ、そのことを各章ごと、それぞれの切り口で、詳しく解説している点。
  • 学びに必要とされそうな要素を網羅している
    MBA(限らず大学)で学ぶにあたっての基本を俯瞰し、分かりやすく説明している。逆にいえば、深くは知ることができない。
  • 学習者の視点の重視
    単なる経験談の寄せ集めではなく、学生の視点を重視している。
 第一点、著者は、「学ぶ」ということの意義を捉える観点を「ベネフィット最大化(自己開発とキャリアアップの両面で、可能性を追求すること)」、知識というもののあり方を捉える視点を「ナレッジマネジメント」というキーワードで説明している。これは、分かりやすい。

 「ベネフィット最大化」ということばは、ちょっと大げさではあるが、学ぶ目的、学んでいる内容や方法を、自分にとっての「利益」という観点で、問い直すことは、どんな学習プログラムでも重要なことである。

 また、MBAを通して得られる知識「ナレッジマネジメント」として管理・運営する視点も確かに重要である。ナレッジマネジメントは組織論として捉えるだけではなく、自分自身のキャリアデザインにも適用可能な概念である。

 第二点、目次を見ると分かる、「コース・ワーク」「ケーススタディ」「チーム」「ライティング」「プレゼンテーション」「リサーチと分析」「実践プロジェクト」「ネットワーク作り」など、大学で(とくにMBAで)学ぶ際に必要な要素を、基礎から分かりやすく説明している。

 とくに「ケーススタディ」や「チーム」について触れられている点に、MBAらしさを感じる。どの説明も入門者にとってはとても親切。「分かったつもり」になっている人には再考を促すことにもなるので、有用である。

 第三に、学習者の視点である。得てして○×式勉強法の類の本は、自らの「方法論」をあたかも絶対的であるかのように紹介していくが、この本は、説明が大げさではなく身近である。
 たとえば、授業に満足がいかない時、どうすればいいのか?
 本書では次のような提案がされていたりもする。
 (略)自分の採ったコースが必要な知識を与えてくれず、したがってそのコースに満足できないことはある。そうなる可能性を感じた際にとるべき選択肢をいくつか挙げておく。
  • 自分自身の受け取り方を分析する。具体的に何が自分の役に立っていないのか。コースに問題があるのは確かか、自分が先入観を持っていて、それが障害になっているのではないか。(略)
  • 何もしないのが一番いけない。これは自分自身の体験であり、そのために授業料を払っているのであり、期待する価値が得られないということは自分自身の問題なのだ。問題が自分にあろうと、コースの設計や内容にあろうと、早期解決を図り自分のナレッジ・マネジメントのプロセスを軌道に戻すようにする。
 この手の指摘してくれる本は、私は初めて見た気がする。
 
 本書は、いわゆるマニュアル本と呼ばれるものかもしれませんが、本書は大学の4年間なり、大学院の2年間、機会を最大限活かして、自分なりの知識を身につける(知識を獲得するという意味ではなく、自分と知識のあり方を探ること)ための、ヒントになってくるでしょう。

 なお、遠隔教育についても、普通に説明されていて参考になりました。

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